医療法人社団 仁智会

花*ひろば

良いお年をお迎えください

春日花アレンジ

門松は、「神様、こちらに来てください」のメッセージ

今年もあと三日。毎年のことですが、年の瀬の心地良い慌ただしさを感じる日々です。

時代が進んでどんどん便利になっても、日本人にとって正月の準備は普遍的なイベントの一つですね。

門松や注連縄(しめなわ)の飾りはその代表です。こちら金沢春日ケアセンターやケアレジデンスでも大ぶりの門松を準備しました。

金沢春日ケアレジデンス玄関の門松

ご存知の通り、年神様をお迎えする目印となるのが門松です。幸せを運んで山から降りてくる時に合わせて、「こちらに来てください」とのメッセージを発信するため、各家庭でできるだけ大きなものを用意する風習が平安時代からあるそうです。「竹」がメインに見えますが、本来は「松」を主に使っていました。

松は冬も葉が落ちない針葉常緑樹。竹は生命力が強い植物の代表格。枯れない=長寿の象徴でもあります。

 

長寿の象徴「門松」を前に、「老いること」を考える

今年一年を振り返ってみますと、キーワードとして良く耳にしたのが「AI」という言葉です。AIは「Artificial Intelligence」、日本語に訳すと「人工知能」です。学習するロボットがデータを数値化して情報を分析し、傾向と対策をアウトプットしてくれる仕組みのことです。日進月歩で技術開発が進み、私たちの生活にももう入り込んできました。車の自動運転や快適な生活を手助けしてくれる家電はもちろんのこと、会話などのコミュニケーションも人間に近い状態でできるようになってきました。介護の世界も例外ではなく、介護者向けのロボットスーツはご存知の方も多いと思いますが、今やリハビリテーションのほか、レクリエーションでもコミュニケーションロボットの導入を進めている施設もあります。

 

進化を続ける人工知能

これらのロボットは、まだまだ進化を続ける伸びしろを感じます。確かに人手が不足しがちな介護業界を支える可能性は秘めているものの、本当に高齢者の幸せにつながるような機能を果たしてくれるのか、まだ課題も多いのが現状です。ロボットが人間の脳をほぼ完全に模倣できるようになり、高齢者ができないことをできるようにすることはできても、「老いることの意味」「老いてこその良さや楽しみ」への理解はどこまでできるのかは未知数です。

 

年神様をお迎えする目印となる門松

「今日もあんやとねー」

「あんたの顔見ると元気出るわ」

こんな会話を交わしながら、利用者さまとの関係を深めケアを続けている介護や看護のスタッフ。そこには、高齢者を敬い、「老いること」の良さを理解し尊重する想いがこめられています。決して、「できないことを補おう」、「できるようにしてあげよう」という気持ちだけではありません。今後進むであろう人とAIとの共生の前に、人が担うこと、ロボットが担うことを丁寧に見つめ直す必要があるかもしれませんね。

話が難しくなってしまいました…。

今年も利用者さまやご家族様、地域の皆様には大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。