2019年12月06日
「あんたの顔をみると元気になるわ、その言葉が私の生きがいです」
「汗だくの私に、頑張って!と応援してくださいました」
金沢春日ケアセンターの1階リハビリ室前の廊下に手作りのオレンジの木がお目見えしました。利用者さまと介護職員との何気ない日常の会話から、ほっこりと心温まるエピソードを集めた“オレンジの実”が今、たわわに実っています。
「オレンジ」は認知症ケアのシンボルカラーです。認知症サポーターが腕につけるブレスレット、オレンジリングなどでおなじみです。そのオレンジにかけて、介護職員が、認知症の利用者さまと過ごす日々の中で心に残った一瞬の風景を切り取って一つひとつの実に書き込み、表現しました。
「あなたの名前は分からんけど、顔はよーく覚えてます。これからも頼むね。と言われて力が湧きます。」-認知症の方は、記憶が曖昧になることもありますが、それでもいつも一緒に過ごす職員の顔やぬくもりは忘れないのですね。
「利用者さまが日記をつけていらしたことをその方が亡くなってから知った。その中に、自分の名前が書かれており、感謝の気持ちがつづられていたことに胸が熱くなり涙した」-介護を担当していた自分への感謝の思いを、こんな形で伝えられて心が震えない人はいません。
一つひとつの実に書かれたエピソードはとても短い一文ですが、利用者さまとの絆、信頼関係の深さをしっかりと感じることができます。
この「オレンジの木」を企画したのは、春日オレンジ研究会。金沢春日ケアセンター内で、認知症ケアの検討、研究を進めている職員グループです。認知症の利用者さまとご家族の会、オレンジカフェなども不定期で企画しています。今回は、利用者さまへの想いや感謝の気持ちを表し、職員の励みにもなるようなこのオレンジの木を“植樹”しました。
金沢春日ケアセンターにいらした際には、ほんのしばらくでもこの木に寄りかかって、ほっこりエピソードに癒されてください。