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ご利用者も、職員も大切にする仕組みをつくる

金沢春日ケアセンター
介護職
居宅療養課 通所リハビリテーション担当
品質マネジメントシステム(QMS)統括管理責任者
入職年:平成9年

◆資格
介護福祉士

Interview

インタビュー

Q.介護職として長年仁智会で仕事をされて、印象に残るエピソードはありますか。

A.介護職として入職して20年が経ちますが、その間、いろんな部署に配属になり様々な体験をしてきました。思い出深いのは、「木工作業所」の取り組みですね。男性ご利用者に仕事を中心とした生活を提供できないかと考えての取り組みでした。作業服に着替えて“出勤”し、木工製品を作り、仕事を終えてフロアに戻るとお風呂が沸いていて、一日の疲れを洗い流すといった具合です。その他には、ご利用者の皆さんが楽しみながらリハビリに取り組めたら…と思い考案した「ワンツー体操」。今では施設内だけでなく、市内各地域の公民館などの介護予防教室にもおじゃましています。「ご利用者も、ご家族も、職員も楽しめる介護」がモットーです。

Q.現在は、金沢春日ケアの「品質マネジメントシステム(QMS)」管理責任者をされていますが、介護サービスにおける品質マネジネントシステムとはどのようなことですか。

部署ごとに、ご利用者の満足度を高める目標を設定

A.仁智会では、ご利用される方々に、安心と心豊かさをお届けするため、提供する医療や看護・介護などのサービスの質の向上に常に取り組んでいます。そのためにご利用者満足度を高めるための目標を定め、それを達成できるように様々な改善を行うことで、サービスの質を向上する仕組みを設けています。 私たちはそれを品質マネジメントシステム(以下QMS)と呼んでいます。

私は管理責任者として、QMSが適切にはたらくように管理し、定期的にふり返りをおこない、分析をして、各部署に伝える役割を担っています。

Q.介護サービスの品質向上のために、心がけていることや、具体的に力を入れていることはありますか。

職員の「人の役に立ちたい」という思いを大切にする

A.介護サービスの質を上げるためには、各部署が自発的に活動を行える環境が大切だと、実は思っています。人は、他人から命ぜられたことをするよりも、自分のしたいことをする方が、のびのびと活動することができるように思っています。特に金沢春日ケアセンターの職員は、「人の役に立ちたい」「人に何かをしてあげたい」という想いの強い人が多いんですよ。その気持ちを大切にしたいと思っていて、各部署それぞれが立てる「ご利用者満足を高める目標」については、自由に考えてもらうようにしています。

その時に、気をつけなければならないのは、その「したい」「してあげたい」という思いが独りよがりで自己満足になってしまわないようにすることだと思います。わたしたちの向かう先はご利用者の満足を高めることなので、そのためには、客観的に物事を考えることが必要になってきます。

「取り組みたいこと」と「取り組むべきこと」をすり合わせる

QMSでは、各委員会で集計したデータや、「ご意見ご要望シート」「ご利用者ご家族アンケート」により届いた利用者さまやご家族の意見や要望に目を通しています。そして、今、春日ケアセンターまたは各部署それぞれが置かれている状況や課題、求められていることを明らかにするようにしています。それらをふまえると、「私達が取り組みたい」ことと「取り組むべき」ことが重なりやすくなるのではないかと考えています。

また、自分たちの携わる仕事について職員自身が達成感を得ることもサービスの質の維持・向上には大切です。その機会のひとつとして、QMSでは毎年、「品質目標達成状況発表会」を開催して、それぞれの部署が取り組んでいることについて発表をします。それらをていねいに評価し、優秀な取り組みについては表彰を行います。そうすることで、また次の年の取り組みへのやりがいにつながればいいなと思っています。

Q.金沢春日ケアセンターは“大規模多機能”な施設です。大規模多機能な施設としての強み、役割はどんなところにあると思いますか。

“大規模多機能”だからこそ、緊急時も、最期の時も寄り添い、支えます

A.大規模多機能な金沢春日ケアセンターの強み、それは、「とにかくご相談ください!なんとかします!」とお応えできるところでしょうか。ご利用者やご家族のみなさんが介護サービスの利用をお考えになる時って、それぞれにいろいろな課題や不安を抱えておられると思います。
そんな時に春日ケアセンターにご相談くだされば、その課題や不安に必ず何らかのかたちでお応えできます。春日ケアセンターの中には、大きく分けると「医療サービス」「入所サービス」「居宅サービス」の3つのサービスがあります。3つのサービスが密に連携していますので、在宅から施設入所、施設利用から在宅への復帰、などご利用者お一人おひとりの状態の変化に合わせたサービス提供が可能です。また介護サービスだけでなく医療サービスを併せ持っているので、緊急時にも対応が可能です。尊厳を守る介護と、命を守る医療を一体にして提供する法人ならこそお届けできる安心ではないでしょうか。

また老健やケアハウスでは、高度な医療を必要とする状況でなく、望まれた場合には、ご利用者の想いに沿いながら人生の最期の時までをお手伝いをさせていただきます。

「春日」にご相談下さい。きっとなんとかします!

Q.大規模多機能な金沢春日ケアセンターにおいて、介護サービスの質を上げるためには、多職種によるちょうどいい連携も重要な要素になりますね。

A.施設では、介護職をはじめ医療、看護、リハビリ、相談など様々な職種の職員が利用者さまに携わります。それぞれの専門性を発揮しながら、互いに連携することで、質の高いサービス提供に努めています。金沢春日ケアセンターの特徴として、多職種の連携を円滑に進めるために、様々な委員会を設置しています。(仁智会の委員会活動

部署をまたいで話し合う委員会活動で、自然と連携できる

業務の質の向上と均質化を図る業務委員会をはじめ、安全な療養環境の提供を図るリスクマネジメント委員会、職員のスキルアップを図る教育委員会などの委員会を設けています。これらは部署をまたいで組織横断的に活動を行っていて、課題の解決や新たなアイデアの実行に向けて自然と話し合う場ができるなど連携が密にとれる仕組みになっています。

Q.介護サービスの品質向上のために、これから取り組んでみたいことはありますか。

A.ご利用される方々の要望に沿った質の高いサービス提供を維持するためには、金沢春日ケアセンターが職員みんなにとって働きやすいと感じる職場であることがなにより大切だと考えています。ご利用者満足を高めるために、そのサービスの提供元である職員みんなの満足度も併せて高めていく必要があります。

今、各職種で人材不足が声高に叫ばれる超高齢社会の中で、介護・医療業界は人材が不足している業種の筆頭ではないかと思います。職員のやりがいを維持してよいサービスを今後も提供できるように、ご利用者はもちろんのこと、職員みんなも大切されていると実感できる仕組みの整備や改善を行っていきたいと思います。

それから、介護の仕事の魅力をもっともっと施設内外に発信していきたいですね。 やってみるとやりがいもあって、とても面白い仕事なんですけど、なかなか伝わらないんですよ。そして、大きな声で叫びたいです。「おーい、こっち来いよ!春日においでー」って。