医療法人社団 仁智会

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平成最後のクリスマスは“紅白花合戦”

春日花アレンジ

おしゃべりなアマリリス vs 情熱のバラ

あっという間に年の瀬を迎え、今日は一年でもっとも華やかなイベントのクリスマスです。
金沢のクリスマスはたいてい曇天のグレーな空のことが多いですね。それでも、今年は平成最後のクリスマスということもあり、街中には豪華な飾りつけが目立つように思います。

我らが金沢春日ケアセンター、そして金沢春日ケアレジデンスのロビーも素敵な花やツリーで飾りつけし、皆さまをお迎えしています。今回は両方のお花を同時にご紹介します。まずは、クリスマスツリーから。

金沢春日ケアレジデンスのロビーを彩る青いツリー

そして、お花はロマンティックなピンク系統でまとめられ、愛らしい雰囲気を醸し出しています。

ケアレジデンスのお花はピンク系で統一

サテン生地のドレスのような光沢を放つバラ

定番のバラを中心に、深い紅色のストックや紫のトルコキキョウがグラデーションを描いており、サテン生地でできたドレスのような光沢感を放っています。上品な輝きと落ち着きの両方を演出しています。

新しい時代の芽を思わせる萌黄色のアマリリス

一方、春日ケアセンターのロビーは…

春日ケアセンターのお花は白系統で統一

白を基調として黄色や黄緑のさわやかな色合いでまとまっています。

中でも、新芽の萌黄色のようなふっくらとした花に惹かれます。新しい時代の到来を告げる唇のように見えるお花、これはアマリリスです(下写真左)。ユリのようにも見えますが、花びらもめしべやおしべを包み込むように開き、おおらかな印象です。花言葉は「おしゃべり」だそうです。そう言われると、横向きに開いたお花同士の距離感がちょうどよく、まるで会話を楽しんでいるようにも見えますね。平成の30年間をゆっくりと振り返りながら、「あれもあった」「こんなこともあった」と思い出話をしているのでしょうか。

 

 

そして、白枝や綿の実や、ヒムロ杉とヒバが加われば、眺めているだけで鈴の音が聞こえてきそうなクリスマスの花あしらいになります。

皆さまはどのようなクリスマスをお過ごしでしょうか。

平成30年間の歴史は、金沢春日ケアセンターの歩み

怒涛の平成30年間。30年前の1988年は、私ども金沢春日ケアセンターの前身の老人保健施設・春日町ケアセンターが金沢市春日町で開設された年でもあります。旧浅ノ川病院の建物をそのまま利用したベッド100床からのスタートでした。まだ介護保険制度もなく、高齢者介護や福祉が制度的にも技術的にも整っていないところから、手探りでサービスの拡大と充実に努めてまいりました。平成の歴史は、そのまま私達の歩みとも重なります。

高齢者の介護をとりまく現状は課題も多く、私達もやるべきことがたくさんあります。皆さまへの感謝の気持ちを忘れずに、来るべき新しい時代に期待と希望を持って、一歩ずつ進んでまいりたいと考えております。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

鳴かぬなら、ググってみようホトトギス

春日花アレンジ

野趣に富む、ほんのり紫色のホトトギス

「酷暑」という二文字で片付けられないほどの厳しい暑さだった今年の夏。その面影はどこに行ったのかと思うほど、朝晩は急に冷え込むようになった今日この頃です。皆さま体調はいかがでしょうか。

今日は、金沢春日ケアレジデンスにお目見えした秋らしい花アレンジをご紹介します。

秋の野山をイメージさせる花アレンジ

ピンクやベージュ、黄色などパステルカラーが気持ちをふんわりと柔らかくしてくれて、いつまでも眺めていたい気分になりますね。その中でも特に目を引くのが、星の形をした薄紫の花びらに斑点の入った「ホトトギス」です。

ネーミングに惹かれて、調べてみました。

 

紫の斑点が印象的なホトトギス

花言葉は「永遠の若さ」

くるんと巻いたような立体感のある花びらは、見た目はビロードのようで、思わず手で触れてしまうほどの艶やかさです。濃い紫色の斑点が鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから名づけられたそうです。葉っぱの表面に黒いシミのような点があることから、別名は「油点草」と言われています。

花が咲いている期間が長く、8~10月頃まで開花して楽しむことができることから「永遠の若さ」という花言葉がつけられました。

ホトトギスにみる天下人の生き方。さて、現代人は?

ホトトギスと言えば、最初に鳥のほうを思い出しますね。そして、誰もが耳にしたことがある天下人の生き方を表した川柳もおなじみです。

鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす(織田信長)

鳴かぬなら 鳴かせてみよう ほととぎす(豊臣秀吉)

鳴かぬなら 鳴くまで待てよ ほととぎす(徳川家康)

皆さんは、どの武将の生き方に共感できますか?

忙しくなっている現代、気長に「待つ」ことや遠回りをすることがなかなかできなくなっているように感じます。分からないことがあってもインターネットを使えばすぐに答えが引き出せ、SNSを使えば伝えたいことをいつでも発信できます。逆に、もたもたしていると周囲からの冷たい視線にさられることもありますよね…。

今、この川柳を詠むとしたら、「鳴かぬなら、ググってみよう ほととぎす」でしょうか。インターネットでGoogle検索すれば、あらゆる鳥の鳴き声をスマートフォンやタブレットから聞くことができてしまうのですよ。検索する前に、ほんの少し想像を巡らせるゆとりを持ちたいものです。

花アレンジのお話に戻しましょう。

 

グラジオラスやツルウメモドキ、ヒペリカムなど大きさも色もバリエーションに富んだ花が、こぼれ落ちそうなまでに咲き誇っています。ウンリュウヤナギのうねりがアレンジ全体の立体感をより際立たせ、猛暑の名残を思い出に変えるとともに、実りの秋の到来を華やかに演出しています。

ケアレジデンスの解放感あるロビーで、ソファに身を沈めながらお花を眺め、ゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

幸せのサムシングブルー、“サムライ“ブルー

春日花アレンジ

青のグラデーションが清々しさを演出

梅雨のうっとうしい季節を清々しい気持ちに変えてくれる花アレンジを紹介します。

金沢春日ケアレジデンスのロビーでは、今、色合いが少しずつ異なる青の花が清涼感たっぷりに咲きそろっています。青紫、薄紫、青、水色…青系統でこれだけの色があるのかと思うほど微妙なグラデーションで少しずつ変化し、統一感を演出しています。

青色のグラデーションが清々しさを演出しています

ひときわ目を引くのが、中央に優雅な姿を見せているデルフィニウムです。

茎に穂のように花を付けます。つぼみの形がイルカに似ていることから、ドルフィン、デルフィニウムと名前がつけられたようです。華やかな水色がほかの花も引き立てるので、花嫁さんのブーケにもよく使われます。青いものを身につけると幸せになるという「サムシングブルー」としても人気のあるお花です。

 

ブーケにも使われるデルフィニウム

 

 

 

 

 

 

 

 

定番のアジサイもアレンジにすると、新鮮な趣に

梅雨の時期の花として知られるアジサイ。前庭に植えこんで花の色の変化を楽しまれるご家庭もあると思います。

金沢の街中でも、香林坊、広坂通りの辰巳用水が流れる中央分離帯に植えられ、青紫や桃色の大輪の花が雨にぬれながらも元気に咲き誇っているのを目にされた方も多いのではないでしょうか。日本人にとってもっともなじみの深いお花の一つです。

花びらのように見える部分は、葉が変形したガクで、お花は中央に小さく隠れていることは良く知られていますね。

このアジサイ、育て方で花の色を変えることができるようです。青色に咲かせたい場合は土を酸性に、ピンク色の花にするには土をアルカリ性にします。咲かせたい色に育てる専用の土や肥料も販売されています。

アジサイの横に添えられているのは、トルコキキョウです。

大きくふんわりとした花びらが幾重にも重なり、とても華やかな印象を与えています。

少し調べてみると、トルコ人の頭に巻いたターバンのような形の花だから…、トルコ石のような色合いをしているから…などは花の名前の由来はいくつかあるようです。色も白やピンクなど様々な種類があります。

中でも、紫色、青紫のトルコキキョウは、アヤメやカキツバタの色調とも似ていて何とも落ち着きますね。アジサイの青との相性もぴったりです。

そして、ブルーの花々を優しく引き立てるのは、ドウダンツツジとアスパラガスの柔らかな緑。ドウダンツツジは細かな枝分かれと小ぶりの葉っぱが特徴で、程よく日の光が花に届きます。アスパラガスの葉は、ふわふわの葉が密生していしていてアレンジメント全体をふんわりと包み込みます。観賞用で、食用のアスパラガスと品種は異なりますが、同じアスパラの仲間です。

サッカー日本代表の勝利を願って…

今年は特に「青」に思い入れの強い方も多いのではないでしょうか。

そうです!サッカー、ロシアワールドカップでの日本代表の活躍に期待のかかる今日この頃。

グループリーグの初戦でコロンビアに勝利した日本。貴重な2点を取ったばかり。

次も何としても白星が欲しいところです。ケアレジデンスの青の花アレンジも、今年ばかりはそんな私達日本人の願いを託すササ飾りのような役割を果たしているところかもしれませんね。

サムシングブルー、そしてサムライブルーな花アレンジでした。

 

 

愛子さまの五葉ツツジと、悠仁さまの高野槇と

春日花アレンジ

金沢春日ケアセンターの敷地内にとても“ロイヤルな場所“があるのをご存知ですか?

それは、正面駐車場を囲むように配置された植え込みの一角にあります。

ケアセンター正面の一角で清楚な白い花を咲かせる五葉ツツジ

ちょうどゴールデンウィークのこの時期に白い花が咲く五葉ツツジ(シロヤシオ)と、しなやかな針葉が特徴のコウヤマキです。五葉ツツジは、敬宮愛子さまのお印。そして、コウヤマキは秋篠宮悠仁さまのお印として知られている木です。

お印とは、皇族の方が身の回りの調度品などに名前の代わりに付ける印章、トレードマークです。誕生した時やご結婚された時に両親や祖父母から贈られ、男性は樹木をモチーフに、女性はお花の印をもらい受けることが多いようです。

最近は、一般の方もお子様の誕生を機に、オリジナルの印章をデザインして刺繍したり図案を額に入れて飾るご家族も増えているようですよ。

ふんわりとした白い花…純真さの象徴

 

五葉ツツジは、白くふんわりした花を咲かせます。花びら5枚が丸く輪を描くように大きく広がっており、斜め下に少しうつむくような咲き方をします。そして、葉も枝先から5枚の花びらのように開き、白とグリーンのお花が枝をさわやかに飾っているように見えます。

皇太子ご夫妻が休暇をお過ごしになることもある栃木県の那須の御用邸にも群生しているとのこと。

2007年、金沢春日ケアセンターが元菊町に移転新築した際に、栃木県にお住まいの親戚からお祝いにと紅白の五葉ツツジをいただき植樹しました。金沢の地にもしっかりと根付き、毎年美しい花を咲かせ、利用者さまやご家族、職員、そして地域の方々の目を楽しませてくれます。純真な花木の姿を見ているだけで、心が穏やかになりますね。

高野山に多く植生するコウヤマキ

まっすぐな幹と凛とした立ち姿が美しい

五葉ツツジの隣にたたずむのは、コウヤマキです。漢字では「高野槇」と書きますが、その名の通り和歌山県の高野山に多く生えていることからこの名前が付いたそうです。

五葉ツツジを植樹した際に、前年2006年にお生まれになった悠仁様のお印もということでコウヤマキを一緒に植えました。11年の時を経て、主幹はまっすぐに成長し、枝ぶりも堂々としてきました。コウヤマキの「マキ」は漢字では「真木」とも書き、木の中の木、一番の木という意味が込められています。病害虫にも水にも強い。一方で、その針葉は柔らかく手に刺さるようなことはありません。

金沢でも五月の連休は、雨も少なく一年で最もすがすがしい季節です。こどもの日を前に、五葉ツツジの清楚で優しいお花と、コウヤマキの強くしなやかな立ち姿は、子供たち、孫たちの健やかな成長を願うご両親や祖父母の方の想いを代弁してくれているようでもあります。

 

 

 

豪雪に耐え…今、花開く

春日花アレンジ

桜の季節も終わり、これからはカラフルなお花の開花が楽しみな時期ですね。

金沢春日ケアセンターでも見つけました!

一階にある喫茶・売店「グリーン・ケア・メッセ」から見える中庭に咲く色とりどりの花たち。

さいた、さいた、チューリップの花が♪♪

昨年の晩秋にデイケアの利用者さまが球根を植えてくださったものです。デイケアに通われている時に、ていねいに育ててくださいました。

記憶に新しい今冬の“ドカ雪”にも負けず、しっかりと花開いてくれました!

 

見事に花開いたチューリップ

チューリップの開花には寒さも不可欠

「あの大雪で、あの寒さで球根がだめにならなかったの?」と疑問も持ってしまいますが、チューリップの開花には一定期間の低温期が必要なのだそうです。低温期の間に球根内部では植物ホルモンが作られ、球根内の栄養を花や茎のもとに送る活動が進みます。そして、春になり気温が上がってくると芽が一気に伸び始めて開花へと向かうのです。

暖冬だからといって、チューリップの花も早く開花するとは限らないとのこと。逆に低温期がなく、球根の中で十分な準備ができないままのため、開花が遅れることもあるそうです。

寒さで鍛えるときれいに咲く。見た目より、なかなかメンタルの強そうな花ですね。

ケアセンターの交差点

喫茶グリーンのカフェテーブルから中庭を眺める

この一階の中庭は、春日ケアセンターのちょうど中心にあり、吹き抜けになっています。

リハビリルームにも面していて、日々のリハビリに励む利用者さま、館内のお散歩を楽しむ老人保健施設やグループホームなどの利用者さま、ご家族に会いに来た方々の交差点にもなっています。すれ違い様に会釈を交わし、「お疲れさま~」と声を掛け合い、そして立ち話に花開くことも。

いつもご紹介している玄関ロビーのお花とはまた違った癒しの空間です。

 

ならんだ、ならんだ、赤 白 黄色♪♪

どの花みても きれだな♪♪

寒く厳しい冬を乗り越え、大きな花、小さい花をそれぞれにつけて咲き誇る姿にエネルギーをいただいて、また一日一日を頑張っていこう!という気持ちになりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“雪疲れ“を癒す一輪

春日花アレンジ

思わぬ豪雪に見舞われている今冬、幹線道路を含めて交通網がマヒし、北陸新幹線も運休の事態に陥りました。

当法人のデイケアやデイサービスなどのサービスもいっときストップせざるを得ない事態に陥り、利用者さまをはじめ関係の方々には大変ご迷惑をおかけしました。

一日に50㎝を超えるどか雪が降り続くと、狭い路地の多い金沢では除雪も追いつかず外に出ることもできない事態に陥ります。特に高齢者の方々にとっては、日常生活の様々な面でのご負担がとても大きいと思います。

ぐったりと雪疲れを感じた方も多いのではないでしょうか。

 

梅、桃の花を待つ間に楽しむ花…木瓜

木瓜の淡いピンク色に癒されます

今日はそんな雪疲れを癒してくれる一輪をご紹介します。

ボケというお花、聞いたことありますよね。カタカナで書くとちょっとかわいそうな名前ですが、漢字では「木瓜」と書きます。

果実が瓜(うり)に似ていることに由来しています。もともとは、「もけ」と呼ばれていたそうですが、呼び方が変化して「ぼけ」となったとのこと。

花びらの淡いピンクのグラデーションを見ているだけで何ともほっこりした気持ちなりますね。

梅や桃の花が咲く前の、この季節に楽しめるお花です。

 

金沢春日ケアセンターロビーにて。雪景色を背景に映えるピンクの花束

この木瓜の花は、金沢城公園にもあります。春夏に比べてお花や緑の少ない真冬の城内で、薄紅色の木瓜がちらほら咲いているのを見つけるのが常連の散歩者の楽しみだそうです。

 

弾むような、まあるい花で気持ちもアップ!

木瓜の周りには、濃いピンクのピンポンマムやこでまりの白い花があしらわれています。どちらも、まあるいコロンとした手毬の形が特徴です。こでまりは、その花の姿を鈴に見立てて、鈴懸(すずかけ)という別名もあります。

 

まだまだ寒さ、荒天が続きそうな金沢の冬。お身体に気を付けて、元気にお過ごしくださいね。

在宅での生活で、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

良いお年をお迎えください

春日花アレンジ

門松は、「神様、こちらに来てください」のメッセージ

今年もあと三日。毎年のことですが、年の瀬の心地良い慌ただしさを感じる日々です。

時代が進んでどんどん便利になっても、日本人にとって正月の準備は普遍的なイベントの一つですね。

門松や注連縄(しめなわ)の飾りはその代表です。こちら金沢春日ケアセンターやケアレジデンスでも大ぶりの門松を準備しました。

金沢春日ケアレジデンス玄関の門松

ご存知の通り、年神様をお迎えする目印となるのが門松です。幸せを運んで山から降りてくる時に合わせて、「こちらに来てください」とのメッセージを発信するため、各家庭でできるだけ大きなものを用意する風習が平安時代からあるそうです。「竹」がメインに見えますが、本来は「松」を主に使っていました。

松は冬も葉が落ちない針葉常緑樹。竹は生命力が強い植物の代表格。枯れない=長寿の象徴でもあります。

 

長寿の象徴「門松」を前に、「老いること」を考える

今年一年を振り返ってみますと、キーワードとして良く耳にしたのが「AI」という言葉です。AIは「Artificial Intelligence」、日本語に訳すと「人工知能」です。学習するロボットがデータを数値化して情報を分析し、傾向と対策をアウトプットしてくれる仕組みのことです。日進月歩で技術開発が進み、私たちの生活にももう入り込んできました。車の自動運転や快適な生活を手助けしてくれる家電はもちろんのこと、会話などのコミュニケーションも人間に近い状態でできるようになってきました。介護の世界も例外ではなく、介護者向けのロボットスーツはご存知の方も多いと思いますが、今やリハビリテーションのほか、レクリエーションでもコミュニケーションロボットの導入を進めている施設もあります。

 

進化を続ける人工知能

これらのロボットは、まだまだ進化を続ける伸びしろを感じます。確かに人手が不足しがちな介護業界を支える可能性は秘めているものの、本当に高齢者の幸せにつながるような機能を果たしてくれるのか、まだ課題も多いのが現状です。ロボットが人間の脳をほぼ完全に模倣できるようになり、高齢者ができないことをできるようにすることはできても、「老いることの意味」「老いてこその良さや楽しみ」への理解はどこまでできるのかは未知数です。

 

年神様をお迎えする目印となる門松

「今日もあんやとねー」

「あんたの顔見ると元気出るわ」

こんな会話を交わしながら、利用者さまとの関係を深めケアを続けている介護や看護のスタッフ。そこには、高齢者を敬い、「老いること」の良さを理解し尊重する想いがこめられています。決して、「できないことを補おう」、「できるようにしてあげよう」という気持ちだけではありません。今後進むであろう人とAIとの共生の前に、人が担うこと、ロボットが担うことを丁寧に見つめ直す必要があるかもしれませんね。

話が難しくなってしまいました…。

今年も利用者さまやご家族様、地域の皆様には大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金沢のクリスマスは、白が似合う

春日花アレンジ

金沢の冬にぴったりのクリスマスアレンジ

先週末、いきなりの大雪に見舞われた金沢。

今日はそんな金沢に似合うお花を紹介します。

金沢春日ケアレジデンスのクリスマスアレンジです。白を基調とした上品な華やかさを演出しています。

白を基調にしたクリスマスの花アレンジ

 

週末の大雪…「いやー、油断ならんわ」と思わず声を出された方も多いのではないでしょうか。

車のタイヤなど準備は万端ですか?

温暖化のせいか、金沢でも12月に大雪になることは珍しくなったこのごろ。

水を散布する融雪装置

昭和時代の金沢は、11月中旬を過ぎたらもう雪が積もって当然という感覚でした。いわんやクリスマス…をや。クリスマスのイルミネーションがきらめく竪町や片町の商店街も、足元は溶けかかった雪と融雪装置からあふれる水でぬかるみ、点検や調整が追い付かないのか所々で融雪の穴から噴水のように水が吹き上げていることも多々、それを通り過ぎる車が歩道に跳ね上げ…、楽しいそぞろ歩きにはならないこともしばしば…。でも、悪いことばかりではありません。正真正銘のホワイトクリスマスを味わうことができましたから。

 

ふわふわの白、研ぎ澄まされた白

 

白いお花も、種類によっていろいろな趣があります。星の形をした「ホワイトスター」は、名前の通り五枚の花びらがバランス良く開き、涼し気に瞬いています。正式名は「オキシペタラム」(鋭い花弁)と呼ばれ、白のほかに淡いブルーの花もあります。結婚式のブーケなどに“サムシングブルー”として取り入れられることが多いですね。

深い赤が際立つ

アレンジの中央には、クリスマスカラーの深い赤。カラーやストックの花がエレガントに咲き誇っています。

ストックは一枚の布をふんわりと巻いたような形状が特徴ですが、実はこの部分は花ではありません。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、「がく」だそうです。中心部分にガクに守られるようにして顔を出している黄色い軸が花です。白いカラーはおなじみですが、深い赤紫のもとても存在感があります。女性の服の襟(カラー)に見えることからカラーと呼ばれているそうです。

ふんわりした襟に見えるカラー

 

 

 

 

 

 

白銀の輝きを乗せたグリーン

花アレンジ全体をまとめるのは、クリスマスカラーの緑色。

クリスマスリースなどの飾りにも使われるヒムロスギ。先端がところどころグレーに染まり、さりげなく雪が舞っているような動きを感じます。ヒムロと聞くと、特に金沢の人は「氷室」という字を連想しますが、漢字は「檜榁」と書きます。ヒノキ科の針葉樹です。葉は針状ですが、触っても痛くなく、頬を近づけてみると森のいい香りがします。

そして、ユーカリもほんのり灰色がかったスモーキーな色合いが落ち着きを与えています。葉の一枚一枚が大ぶりで、慌ただしく過ぎていく年の瀬にもゆったりとした時間の流れを感じることができます。

今週末のクリスマス、雪はどうなることやら。

降っても、降らなくても、家族や友人と幸せなひと時を過ごすことができるといいですね。

 

 

 

 

 

 

晩秋の霊峰白山ー赤と紫の競演ー

春日花アレンジ

ワイルドで圧倒的な華やかさに…ため息

もう12月ですが、少し前に金沢春日ケアレジデンスに飾られた花アレンジを紹介します。

大きく開いたクジャクの羽根のように放射状に花が咲き乱れて、絢爛豪華(けんらんごうか)という言葉が似合いますね。深い赤や紫に彩られた枝と印象的な花々は、華やかさと静けさを併せ持つ晩秋の霊峰白山の景色を思い起こさせます。

 

深い赤と紫が高貴な匂いを放つ

 

中でも一番深い色合いを見せるのは、紫色の花を鈴なりにつけたグラジオラス。ラテン語で「剣」(つるぎ)という意味の通り、細く長い茎に添うように花が開きます。グラジオラスは紫のほか、赤やピンクの花を咲かせる種類もあります。色によって花言葉が異なるそうで、紫色の花は「情熱的な恋」とのこと。まさに、この花アレンジのイメージにぴったりです。

 

秋の野山をそのままに…

グラジオラスの手前に、花器から流れる滝のように活けられているのは、ユキヤナギのしなやかな枝です。真っ赤に色づいた葉が、秋の野山そのものをここに持ち込んだように日々色を深めていきます。春には真っ白な花をつけるユキヤナギも晩秋には赤の衣装をまとって、全く別の表情を見せるのですね。

 

つやつやした野ばらの実や、深紅のダリア、英語で「Glory Liliy (栄光のユリ)」と呼ばれているグロリオサの花びらに…ちょうど夕日が差し込んできました。赤のグラデーションがカーテンのように揺れて、なんとも贅沢な光景です。

 

白山のお花畑で見かける、ミヤマリンドウ

赤い花の間から開きかけたつぼみをのぞかせるのは、秋を代表する山野草のミヤマリンドウ。白山での夏山登山の思い出がよみがえってきます。リンドウは室堂付近や、比較的なだらかなコース観光新道、展望歩道沿いに広がるお花畑で見かけます。30~50㎝で背丈も低く、可憐に咲く青紫の花。登山者の疲れも優しく癒してくれるのです。

 

上を向く、青紫の可憐な花リンドウ

 

 

 

シャープに、そして…まぁるく

春日花アレンジ

未来に向かって飛ぶが如く…極楽鳥花

金沢春日ケアセンターの玄関先に、オレンジ色に染まる花アレンジが出現しました。

まず、上に伸びるシャープな姿が目に飛び込んできます。

 

極楽花鳥が異彩を放つ花アレンジ

でもよく見ると、おそらく誰もが見たことがあるお花。年末にはお花屋さんの目立つ場所に並べられているのを見かけます。そうです、ストレリチアです。別名は極楽鳥花(ごくらくちょうか)という名前で知られています。名前の通り、金色にも見える橙の尾を流すようにはばたく極楽鳥をイメージしてそう呼ばれています。紫色の尖った部分は、くちばしでしょうか。

鳥が羽ばたいているように見えます

年の瀬の勢いを演出

雲竜柳(ウンリュウヤナギ)のうねりの効いた枝と相まって、とても勢いを感じます。

そして、「輝かしい未来」という花言葉の通り、新しい年の足音も聞こえそうなこの時期を上手に演出。見ているだけで元気になってきますね。皆さまのご自宅にも1,2本飾ってみてはいかがでしょうか。

 

まあるく、愛らしく

翻って…足元には、まあるいお花たち。大小の西洋菊や木イチゴがかわいらしくまとまり、笑っているよう。

中でも、カボチャのような形のオレンジや緑の実に目が留まります。

このナス、以前ご紹介したキツネのお顔に似たナスと同様で、実はとても固くて食べることはできません…。一般のナスと同じように、最初は緑や白い色をしていますが、熟すとオレンジ、赤へと色づきます。

 

隣にたたずむ置物ワンちゃんもいじられています…

↑通りかかったどなたかが、遊び心たっぷりの“いたずら”をされたのでしょうか。

ほっとするひと時を楽しませていただきました!

 

 

 

 

仕事も人生も、竜のように勢いに乗って

春日花アレンジ

力強く、しなやかな柳の枝からエネルギーをもらう

金沢春日ケアレジデンスのロビーの片隅で咲く勢いある花アレンジです。

円錐形のほっそりとした花器から赤や黄色、オレンジの暖色の花と枝があふれています。

中でも際立つのが上へ上と伸びる「雲竜柳(うんりゅうやなぎ)」の枝です。

ケアレジデンスの高い天井にも届きそうなほどで、勢いを感じます。

 

中央に雲竜柳の枝が際立つ花アレンジ

雲竜柳は「竜」という文字が含まれる通り、またの名をドラゴン柳ともいわれます。

中国が原産で、くねくねとした枝の形状が特徴です。英語名はdragon’s claw willow。竜の爪という意味になります。爪を立てるリュウのごとく、花アレンジに軽やかな動きとエネルギッシュな印象を与えていますね!

この枝のように、仕事も人生も、勢いに乗ってリズミカルにしなやかにといきたいものです。

 花言葉は「素早い対応」

雲竜柳の花言葉は、「素早い対応」だとか。まさに我々、医療、介護施設の職員に向けたメッセージとも受け取れます。いつ何時も、落ち着いて、丁寧に、素早く動くことが求められる仕事。特に冬場は、感染症などのリスクマネジメントをいつも意識していなければなりません。利用者さまに安心してお過ごしいただけるようにとの願いもこめたいと思います。

 

クリスマスシーズンの到来を予感

あたたかい色合いのお花たちが、柳の枝の足元を優しく包みます。

オレンジ色もお花によってこんなにも見え方が違うなんて、新しい発見ですね。名前の分かる、なじみのあるユリや菊、蘭の姿は見る人を安心させてくれます。隙間から顔をのぞかせる小粒のヒペリカムの赤い実が、クリスマスシーズンの到来を予感させます。

赤い実がかわいいヒペリカム

「ごんぎつね」の想い…

春日花アレンジ

主役はきつねの顔に見える不思議な実・・・フォックスフェイス

今回は金沢春日ケアセンターのロビーが、物語の舞台に早変わり。

花器の中心でひときわ目立つ、でこぼこした形の黄色い実に引き付けられます。

カナリアナスというのが正式な花の名称ですが、フォックスフェイスという名前で知られています。

そう、キツネのお顔に見えますね!

ロビーを通りかかった利用者さまも思わず立ち止まって、「かわいらしい、きつねのお顔の実やね」と会話が弾んでいるようでした。

暖かい色合いの花器の中でひときわ目立つ黄色いフォックスフェイス

眺めているうちに、新美南吉の「ごんぎつね」のお話を思い出しました。

「ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」

兵十が、病気のおっ母のためにとつかまえたうなぎを盗んだごんぎつね。フォックスフェイスの実からは、兵十のお母さんが亡くなったことを知って後悔するごんぎつねのつぶやきが聞こえてきそうです。ツヤツヤした黄色い実の皮は意外と固いので、ある程度長い期間見て楽しめるそうです。

秋の野山を彩る花や実をイメージ

「おれと同じ一人ぼっちの兵十か。」

ごんぎつねは、その後、償いの気持ちをこめて、山の栗やまつたけを取っては兵十の家に投げ込みます。フォックスフェイスの足元を彩るヒペリカムの赤や黄色の実、オレンジ色のユリ、ベンケイソウの深い赤色は、ごんが兵十のために集めたたくさんの山の幸にも見えてきます。暖色を中心とするおいしそうな色合いに包まれる秋の野山のイメージです。

 

 

ごんぎつねのお話は、ごんの償いの想いが通じないうちに、兵十に鉄砲で打たれてしまうという悲しい結末で締めくくられます。今回の花アレンジを眺めていると、けなげで優しいごんの想いがより力強く伝わってきます。夕日に映える西洋菊の赤みがかったオレンジ色も、物語に込められたメッセージをより鮮やかに表現しているように感じられます。

物語とお花のコラボレーション、どれだけ眺めていても飽きません。幼いころに読んだ名作を、もう一度ゆっくり味わってみませんか。

 

 

深まる秋のおもむきを感じながら

春日花アレンジ

ワイルドな秋の野山をイメージ

10月に入り、暑かった夏の余韻を感じながらも朝晩は冷えるようになってきました。

紅葉にはまだ少し早いですが、秋の色合いを楽しみたいこの時期にぴったりの花アレンジメントです。金沢春日ケアセンターのロビーのお花を紹介します。

 

20171003ロビー花

 

 色鮮やかに目に飛び込んでくるのは、ケイトウのオレンジ色やリンドウの淡い紫色です。喋々が舞っているようなランの黄色が秋色の花の存在を引き立てています。そして、長く下に伸びるツルウメモドキの蔓。季節の移り変わりをそのまま映しこんでいるように、赤や橙、黄緑の実を鈴なりにつけ、たのしげに揺れています。

 金沢春日ケアセンターの花アレンジを手掛けてくださっているのは、花あしらい「セレソ」(金沢市駅西新町)の北原さくらさん。北原さんによると、「秋の野山にある花や枝を集め、深まる秋を表現しました」とのこと。ツルウメモドキの蔓も切らずに、長いまま垂らしてワイルド感を楽しめるようにしたそうです。

 オータムアジサイ

注目したいのは、淡いグリーンのアジサイ。七色に色が変わりそうにも見える不思議な色気を放って、花器に寄り添っています。赤や紫の通常のアジサイが最終段階の色になったものを「オータムアジサイ」と呼ぶそう。これから色づくのではなく、最後にグリーンになるなんて知らなかったですね!「まだまだこれからが青春」、そんなメッセージを発信しているようにも感じられますね。

花器からあふれるように生けられたユキヤナギの枝や細かい葉も、これから赤や黄色に色づいて、秋の里山を彩ります。

 

 

 

 

ブログ「花ひろば」を始めます

春日花アレンジ

利用者さまやご家族への感謝の気持ちを込めて…玄関ロビーの花アレンジをご紹介

金沢春日ケアセンターの玄関ロビーを入っていただくと、左側にお花のアレンジメントがあるのをご存知ですか? 当センターにいらした方へのお出迎えの気持ちと、施設を利用していただいている方への感謝の気持ちを込めて季節のお花を飾っております。玄関ロビーは、濃い茶色の木目の色合いなので、華やかな花アレンジがとてもよく映えます。 

春日ケアセンターロビー

金沢春日ケアセンターの玄関ロビー

玄関ロビーは、施設の利用者さまの散歩道でもあり、このお花を目指して歩行のリハビリをされたりご家族が気分転換に立ち寄られることもしばしば。花の名前を当てたりしながら、利用者さまと職員との会話もはずみます。喜びや楽しみを分かち合い、時に不安を抱えた心の癒しにもなるお花のある場所-「花ひろば」。このブログも、そんな心のほっとスポットになればいいなとの思いで開設しました。   

春日ケアセンター花アレンジ

ロビーを彩るお花のアレンジメント

職員によるよもやま話やつぶやきもお伝えします

玄関ロビーの花アレンジメントの魅力や季節の花の香を、ホームページをご覧になった方にもお届けするとともに、職員によるよもやま話やつぶやきもそっとお伝えしたいと思います。そして、金沢春日ケアセンターなどにお立ち寄りいただくきっかけになりましたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。