医療法人社団 仁智会

花*ひろば

鳴かぬなら、ググってみようホトトギス

春日花アレンジ

野趣に富む、ほんのり紫色のホトトギス

「酷暑」という二文字で片付けられないほどの厳しい暑さだった今年の夏。その面影はどこに行ったのかと思うほど、朝晩は急に冷え込むようになった今日この頃です。皆さま体調はいかがでしょうか。

今日は、金沢春日ケアレジデンスにお目見えした秋らしい花アレンジをご紹介します。

秋の野山をイメージさせる花アレンジ

ピンクやベージュ、黄色などパステルカラーが気持ちをふんわりと柔らかくしてくれて、いつまでも眺めていたい気分になりますね。その中でも特に目を引くのが、星の形をした薄紫の花びらに斑点の入った「ホトトギス」です。

ネーミングに惹かれて、調べてみました。

 

紫の斑点が印象的なホトトギス

花言葉は「永遠の若さ」

くるんと巻いたような立体感のある花びらは、見た目はビロードのようで、思わず手で触れてしまうほどの艶やかさです。濃い紫色の斑点が鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから名づけられたそうです。葉っぱの表面に黒いシミのような点があることから、別名は「油点草」と言われています。

花が咲いている期間が長く、8~10月頃まで開花して楽しむことができることから「永遠の若さ」という花言葉がつけられました。

ホトトギスにみる天下人の生き方。さて、現代人は?

ホトトギスと言えば、最初に鳥のほうを思い出しますね。そして、誰もが耳にしたことがある天下人の生き方を表した川柳もおなじみです。

鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす(織田信長)

鳴かぬなら 鳴かせてみよう ほととぎす(豊臣秀吉)

鳴かぬなら 鳴くまで待てよ ほととぎす(徳川家康)

皆さんは、どの武将の生き方に共感できますか?

忙しくなっている現代、気長に「待つ」ことや遠回りをすることがなかなかできなくなっているように感じます。分からないことがあってもインターネットを使えばすぐに答えが引き出せ、SNSを使えば伝えたいことをいつでも発信できます。逆に、もたもたしていると周囲からの冷たい視線にさられることもありますよね…。

今、この川柳を詠むとしたら、「鳴かぬなら、ググってみよう ほととぎす」でしょうか。インターネットでGoogle検索すれば、あらゆる鳥の鳴き声をスマートフォンやタブレットから聞くことができてしまうのですよ。検索する前に、ほんの少し想像を巡らせるゆとりを持ちたいものです。

花アレンジのお話に戻しましょう。

 

グラジオラスやツルウメモドキ、ヒペリカムなど大きさも色もバリエーションに富んだ花が、こぼれ落ちそうなまでに咲き誇っています。ウンリュウヤナギのうねりがアレンジ全体の立体感をより際立たせ、猛暑の名残を思い出に変えるとともに、実りの秋の到来を華やかに演出しています。

ケアレジデンスの解放感あるロビーで、ソファに身を沈めながらお花を眺め、ゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。