医療法人社団 仁智会

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災い転じて福となす

春日花アレンジ

今年の漢字は「災」

師走の恒例行事ともいえる「今年の漢字発表」。2018年は「災」でした。
京都・清水寺で大きな和紙に一文字が記される映像は、ニュースなどで皆さんもご覧になったことでしょう。
平成最後の年の漢字なのだからもっと前向きなイメージの漢字でもいいのでは?-SNS上でも賛否両論が飛び交い話題となりました。

北陸でも被害の大きかった1月の豪雪に始まり、大阪や北海道の地震、夏の西日本豪雨が次々と起こったことなどを思い起こすと、「自然災害」の脅威について考えない日はなかったと言えるでしょう。被害遭われた方のことを思うと、一日も早い復興を願わずにはいられません。

そんな2018年も残すところあと一日。
金沢春日ケアセンターでも新年を迎える支度を進めております。

赤い実が華やかなお正月の花飾り

 

ロビーには、新春の花飾りがお目見えです。
赤を基調にした華やかな色合いですね。花器からあふれんばかりに枝を伸ばしているのはウメモドキです。その足元で赤い葉っぱをそろえているのはオタフクナンテン。オタフクナンテンは、いわゆる南天の赤い実はなりません。色づいた葉が、少し離れて見ると花が咲いているようです。

南天=難点を乗り越えて、福をなす

ナンテンは漢字で書くと南天です。さすがは日本原産の植物ということで、「難点」という言葉と音を重ねて花言葉は「福をなす」です。そして、今年の漢字と合わせると災い転じて福となす、来年こそは良い年にという強い願いとメッセージがこめられた花飾りに見えるではありませんか!

そして、赤い実や葉を引き立てるのは、赤のアマリリスと紫の葉ボタンです。
アマリリスは前回クリスマスの花アレンジで白のお花をご紹介しました。色が違うとまた表情が異なりますね。

 

年末年始を金沢春日ケアセンターやケアレジデンスでお過ごしになる利用者さまもいらっしゃいます。訪問されるご家族もいらっしゃることでしょう。皆さまに気持ちよく新年を迎えていただけるようにスタッフも念入りに準備を整えております。年明けには恒例となったセンター内神社「春日大社」も登場しますよ。

一年間、皆さまのご協力とご指導をいただきありがとうございました。来年も丁寧で心のこもったサービスを提供できるようスタッフ一同、気を引き締めて取り組んでまいります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

皆さまにとって、新しい年が素晴らしい一年となりますよう祈念しております。

ありがとうございました。

金沢春日ケアセンターの正面に据えられた門松

 

 

 

平成最後のクリスマスは“紅白花合戦”

春日花アレンジ

おしゃべりなアマリリス vs 情熱のバラ

あっという間に年の瀬を迎え、今日は一年でもっとも華やかなイベントのクリスマスです。
金沢のクリスマスはたいてい曇天のグレーな空のことが多いですね。それでも、今年は平成最後のクリスマスということもあり、街中には豪華な飾りつけが目立つように思います。

我らが金沢春日ケアセンター、そして金沢春日ケアレジデンスのロビーも素敵な花やツリーで飾りつけし、皆さまをお迎えしています。今回は両方のお花を同時にご紹介します。まずは、クリスマスツリーから。

金沢春日ケアレジデンスのロビーを彩る青いツリー

そして、お花はロマンティックなピンク系統でまとめられ、愛らしい雰囲気を醸し出しています。

ケアレジデンスのお花はピンク系で統一

サテン生地のドレスのような光沢を放つバラ

定番のバラを中心に、深い紅色のストックや紫のトルコキキョウがグラデーションを描いており、サテン生地でできたドレスのような光沢感を放っています。上品な輝きと落ち着きの両方を演出しています。

新しい時代の芽を思わせる萌黄色のアマリリス

一方、春日ケアセンターのロビーは…

春日ケアセンターのお花は白系統で統一

白を基調として黄色や黄緑のさわやかな色合いでまとまっています。

中でも、新芽の萌黄色のようなふっくらとした花に惹かれます。新しい時代の到来を告げる唇のように見えるお花、これはアマリリスです(下写真左)。ユリのようにも見えますが、花びらもめしべやおしべを包み込むように開き、おおらかな印象です。花言葉は「おしゃべり」だそうです。そう言われると、横向きに開いたお花同士の距離感がちょうどよく、まるで会話を楽しんでいるようにも見えますね。平成の30年間をゆっくりと振り返りながら、「あれもあった」「こんなこともあった」と思い出話をしているのでしょうか。

 

 

そして、白枝や綿の実や、ヒムロ杉とヒバが加われば、眺めているだけで鈴の音が聞こえてきそうなクリスマスの花あしらいになります。

皆さまはどのようなクリスマスをお過ごしでしょうか。

平成30年間の歴史は、金沢春日ケアセンターの歩み

怒涛の平成30年間。30年前の1988年は、私ども金沢春日ケアセンターの前身の老人保健施設・春日町ケアセンターが金沢市春日町で開設された年でもあります。旧浅ノ川病院の建物をそのまま利用したベッド100床からのスタートでした。まだ介護保険制度もなく、高齢者介護や福祉が制度的にも技術的にも整っていないところから、手探りでサービスの拡大と充実に努めてまいりました。平成の歴史は、そのまま私達の歩みとも重なります。

高齢者の介護をとりまく現状は課題も多く、私達もやるべきことがたくさんあります。皆さまへの感謝の気持ちを忘れずに、来るべき新しい時代に期待と希望を持って、一歩ずつ進んでまいりたいと考えております。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

鳴かぬなら、ググってみようホトトギス

春日花アレンジ

野趣に富む、ほんのり紫色のホトトギス

「酷暑」という二文字で片付けられないほどの厳しい暑さだった今年の夏。その面影はどこに行ったのかと思うほど、朝晩は急に冷え込むようになった今日この頃です。皆さま体調はいかがでしょうか。

今日は、金沢春日ケアレジデンスにお目見えした秋らしい花アレンジをご紹介します。

秋の野山をイメージさせる花アレンジ

ピンクやベージュ、黄色などパステルカラーが気持ちをふんわりと柔らかくしてくれて、いつまでも眺めていたい気分になりますね。その中でも特に目を引くのが、星の形をした薄紫の花びらに斑点の入った「ホトトギス」です。

ネーミングに惹かれて、調べてみました。

 

紫の斑点が印象的なホトトギス

花言葉は「永遠の若さ」

くるんと巻いたような立体感のある花びらは、見た目はビロードのようで、思わず手で触れてしまうほどの艶やかさです。濃い紫色の斑点が鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから名づけられたそうです。葉っぱの表面に黒いシミのような点があることから、別名は「油点草」と言われています。

花が咲いている期間が長く、8~10月頃まで開花して楽しむことができることから「永遠の若さ」という花言葉がつけられました。

ホトトギスにみる天下人の生き方。さて、現代人は?

ホトトギスと言えば、最初に鳥のほうを思い出しますね。そして、誰もが耳にしたことがある天下人の生き方を表した川柳もおなじみです。

鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす(織田信長)

鳴かぬなら 鳴かせてみよう ほととぎす(豊臣秀吉)

鳴かぬなら 鳴くまで待てよ ほととぎす(徳川家康)

皆さんは、どの武将の生き方に共感できますか?

忙しくなっている現代、気長に「待つ」ことや遠回りをすることがなかなかできなくなっているように感じます。分からないことがあってもインターネットを使えばすぐに答えが引き出せ、SNSを使えば伝えたいことをいつでも発信できます。逆に、もたもたしていると周囲からの冷たい視線にさられることもありますよね…。

今、この川柳を詠むとしたら、「鳴かぬなら、ググってみよう ほととぎす」でしょうか。インターネットでGoogle検索すれば、あらゆる鳥の鳴き声をスマートフォンやタブレットから聞くことができてしまうのですよ。検索する前に、ほんの少し想像を巡らせるゆとりを持ちたいものです。

花アレンジのお話に戻しましょう。

 

グラジオラスやツルウメモドキ、ヒペリカムなど大きさも色もバリエーションに富んだ花が、こぼれ落ちそうなまでに咲き誇っています。ウンリュウヤナギのうねりがアレンジ全体の立体感をより際立たせ、猛暑の名残を思い出に変えるとともに、実りの秋の到来を華やかに演出しています。

ケアレジデンスの解放感あるロビーで、ソファに身を沈めながらお花を眺め、ゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

幸せのサムシングブルー、“サムライ“ブルー

春日花アレンジ

青のグラデーションが清々しさを演出

梅雨のうっとうしい季節を清々しい気持ちに変えてくれる花アレンジを紹介します。

金沢春日ケアレジデンスのロビーでは、今、色合いが少しずつ異なる青の花が清涼感たっぷりに咲きそろっています。青紫、薄紫、青、水色…青系統でこれだけの色があるのかと思うほど微妙なグラデーションで少しずつ変化し、統一感を演出しています。

青色のグラデーションが清々しさを演出しています

ひときわ目を引くのが、中央に優雅な姿を見せているデルフィニウムです。

茎に穂のように花を付けます。つぼみの形がイルカに似ていることから、ドルフィン、デルフィニウムと名前がつけられたようです。華やかな水色がほかの花も引き立てるので、花嫁さんのブーケにもよく使われます。青いものを身につけると幸せになるという「サムシングブルー」としても人気のあるお花です。

 

ブーケにも使われるデルフィニウム

 

 

 

 

 

 

 

 

定番のアジサイもアレンジにすると、新鮮な趣に

梅雨の時期の花として知られるアジサイ。前庭に植えこんで花の色の変化を楽しまれるご家庭もあると思います。

金沢の街中でも、香林坊、広坂通りの辰巳用水が流れる中央分離帯に植えられ、青紫や桃色の大輪の花が雨にぬれながらも元気に咲き誇っているのを目にされた方も多いのではないでしょうか。日本人にとってもっともなじみの深いお花の一つです。

花びらのように見える部分は、葉が変形したガクで、お花は中央に小さく隠れていることは良く知られていますね。

このアジサイ、育て方で花の色を変えることができるようです。青色に咲かせたい場合は土を酸性に、ピンク色の花にするには土をアルカリ性にします。咲かせたい色に育てる専用の土や肥料も販売されています。

アジサイの横に添えられているのは、トルコキキョウです。

大きくふんわりとした花びらが幾重にも重なり、とても華やかな印象を与えています。

少し調べてみると、トルコ人の頭に巻いたターバンのような形の花だから…、トルコ石のような色合いをしているから…などは花の名前の由来はいくつかあるようです。色も白やピンクなど様々な種類があります。

中でも、紫色、青紫のトルコキキョウは、アヤメやカキツバタの色調とも似ていて何とも落ち着きますね。アジサイの青との相性もぴったりです。

そして、ブルーの花々を優しく引き立てるのは、ドウダンツツジとアスパラガスの柔らかな緑。ドウダンツツジは細かな枝分かれと小ぶりの葉っぱが特徴で、程よく日の光が花に届きます。アスパラガスの葉は、ふわふわの葉が密生していしていてアレンジメント全体をふんわりと包み込みます。観賞用で、食用のアスパラガスと品種は異なりますが、同じアスパラの仲間です。

サッカー日本代表の勝利を願って…

今年は特に「青」に思い入れの強い方も多いのではないでしょうか。

そうです!サッカー、ロシアワールドカップでの日本代表の活躍に期待のかかる今日この頃。

グループリーグの初戦でコロンビアに勝利した日本。貴重な2点を取ったばかり。

次も何としても白星が欲しいところです。ケアレジデンスの青の花アレンジも、今年ばかりはそんな私達日本人の願いを託すササ飾りのような役割を果たしているところかもしれませんね。

サムシングブルー、そしてサムライブルーな花アレンジでした。

 

 

愛子さまの五葉ツツジと、悠仁さまの高野槇と

春日花アレンジ

金沢春日ケアセンターの敷地内にとても“ロイヤルな場所“があるのをご存知ですか?

それは、正面駐車場を囲むように配置された植え込みの一角にあります。

ケアセンター正面の一角で清楚な白い花を咲かせる五葉ツツジ

ちょうどゴールデンウィークのこの時期に白い花が咲く五葉ツツジ(シロヤシオ)と、しなやかな針葉が特徴のコウヤマキです。五葉ツツジは、敬宮愛子さまのお印。そして、コウヤマキは秋篠宮悠仁さまのお印として知られている木です。

お印とは、皇族の方が身の回りの調度品などに名前の代わりに付ける印章、トレードマークです。誕生した時やご結婚された時に両親や祖父母から贈られ、男性は樹木をモチーフに、女性はお花の印をもらい受けることが多いようです。

最近は、一般の方もお子様の誕生を機に、オリジナルの印章をデザインして刺繍したり図案を額に入れて飾るご家族も増えているようですよ。

ふんわりとした白い花…純真さの象徴

 

五葉ツツジは、白くふんわりした花を咲かせます。花びら5枚が丸く輪を描くように大きく広がっており、斜め下に少しうつむくような咲き方をします。そして、葉も枝先から5枚の花びらのように開き、白とグリーンのお花が枝をさわやかに飾っているように見えます。

皇太子ご夫妻が休暇をお過ごしになることもある栃木県の那須の御用邸にも群生しているとのこと。

2007年、金沢春日ケアセンターが元菊町に移転新築した際に、栃木県にお住まいの親戚からお祝いにと紅白の五葉ツツジをいただき植樹しました。金沢の地にもしっかりと根付き、毎年美しい花を咲かせ、利用者さまやご家族、職員、そして地域の方々の目を楽しませてくれます。純真な花木の姿を見ているだけで、心が穏やかになりますね。

高野山に多く植生するコウヤマキ

まっすぐな幹と凛とした立ち姿が美しい

五葉ツツジの隣にたたずむのは、コウヤマキです。漢字では「高野槇」と書きますが、その名の通り和歌山県の高野山に多く生えていることからこの名前が付いたそうです。

五葉ツツジを植樹した際に、前年2006年にお生まれになった悠仁様のお印もということでコウヤマキを一緒に植えました。11年の時を経て、主幹はまっすぐに成長し、枝ぶりも堂々としてきました。コウヤマキの「マキ」は漢字では「真木」とも書き、木の中の木、一番の木という意味が込められています。病害虫にも水にも強い。一方で、その針葉は柔らかく手に刺さるようなことはありません。

金沢でも五月の連休は、雨も少なく一年で最もすがすがしい季節です。こどもの日を前に、五葉ツツジの清楚で優しいお花と、コウヤマキの強くしなやかな立ち姿は、子供たち、孫たちの健やかな成長を願うご両親や祖父母の方の想いを代弁してくれているようでもあります。